Telefon & Internet
電話とネット

old phone w640ドイツの電話回線

イツ全土の電話回線の所有率はドイツ・テレコムが最も多く,続いてボーダフォンとなっています。しかし,ドイツ・テレコムには,他の電気通信会社からテレコム所有の電話回線利用の希望があれば提供する義務があるので,ボーダフォン以外でも,ユナイティッド・インターネット社(United Internet AG)やテレフォニカ社(Telefónica Germany GmbH & Co. OHG)などがドイツ国内の固定電話回線を提供しています。
一般的には,ドイツ全土をカバーする最も緻密な回線網と最も多い無線LANホットスポットを展開しているのがドイツ・テレコム,そしてドイツ・テレコムよりも若干割安な料金でドイツの諸都市および主要網を中心とした高速モーバイル回線を主力にしているのがボーダフォンと言えます。
またドイツの電話回線の監視・規制を管轄しているのは,連邦ネットワーク庁(Bundesnetzagentur)です。

 

logo telekom wh300ドイツ・テレコム(Deutsche Telekom AG)

ドイツ・テレコムは,国営ドイツ連邦郵便の民営化に伴い,1995年に郵便部門のドイツ・ポストと電気通信部門のドイツ・テレコムに分割されて設立された民間会社ですが,現在では欧州最大の電気通信会社に成長しています。
ただ,民間会社とは云え,ドイツ連邦が未だに32%の株式を所有しているので,ドイチェ・バーンをドイツ国鉄とも呼べるように,ドイツ・テレコムは国営電気通信会社とする見方もまんざら間違っていないと思います。

logo vodafone wh300ボーダフォン(Vodafone D2 GmbH)

2000年に製鉄・機械製造・モバイル通信業の老舗大企業マネスマン(Mannesmann)を1900億ユーロで買収し,歴史上最大のM&Aを行った英国企業ボーダフォンは,これによりアーコア(Arcor)所有の全回線を得て,その後も都市間の主要回線などを主に増強しています。
ボーダフォンは当初からLTEによるネット回線を目標に置き,ADSL利用者がLTEに移転しやすいような戦略をとっています。

logo unitedInternet wh300ユナイティッド・インターネット(United Internet AG)

ユナイティッド・インターネット社と言ってもピンと来ないかも知れませんが,プロバイダーの1&1,ウェブサービスのGMXやWEB.de などはご存知の方が多いと思います。特に1&1は低料金のプロバイダーとしての広告を続けています。

logo telefonica wh300テレフォニカ(Telefónica Germany GmbH & Co. OHG)

テレフォニカはスペインの電気通信企業体ですが,携帯電話のO2,Blau,Alice, Base,Fonicなどのブランド名で活動しているので,実はドイツ最大のモーバイル回線キャリアです。
テレフォニカはドイツ・テレコムと提携しているので,将来的にはグラスファイバー網やLTE規格への移転においてシェアが伸びる可能性もあります。

 

 

■ 都市を除くと,まだまだ低速通信のドイツ

ところで,現在最高速といわれるグラスファーバーですが,ドイツ国内では都市間を結ぶ主要幹線のみに使用され,家屋・建物までの回線は都市ではADSL,地方ではいまだにISDNに留まっており,高速通信のインフラ整備の必要性が度々国会で論議されています。 

固定電話の回線

20年以上にわたり固定電話が使われていなかった住居や地方の辺鄙な場所でない限り,電話の回線自体は建物に入っています。電話に使用する一般の銅線がインターネットに必要なISDN回線の役割を果たしているので,基本的にはほとんどの住居では固定電話をすぐに利用できる状態になっています。

しかし,もし無い場合,昔の差込口の場合,または欲しい部屋に電話差込口がない場合は,まずテレコムの電話工事が必要になります(約100ユーロ)。
古いソケットを交換したり,別の部屋から回線を延長することは,専門技術者でなくても可能ではありますが,線が多すぎるため,知識がないと大変です。(筆者も一度,経費節約のため自分で行いましたが,施工技師ならば10分でできるような作業に一日中かかりました。)

逆にいえば,電話の差込口さえあれば,昔は必ず来ていた工事人は不要なので,固定電話の回線を敷く最初の経費(工事費)は節約できることになります。
また,なければテレコムに依頼するしか方法はありませんが,モジュールジャックさえあれば,どのプロバイダーとも自由に契約できます。(注: 工事のみテレコムに発注後,電話回線は別のプロバイダを選択することも可)

■ 2018年に廃止されるアナログ電話

ドイツ・テレコムはアナログ電話を2018年に廃止することを予告しています。
現在,ドイツの多くのルーターにはアナログ電話の挿入ソケットが2個付いているので2機までつなぐことができた(仲介機を利用すると2本以上も可)アナログ電話機を使用できなくなるので,新たな電話機の購入を考えている人は,ディジタル電話機(VoIP電話)にしないと無駄になってしまいます。

おそらく来年のいつか,ドイツ・テレコムの顧客宛てに契約内容変更の通知が送られてくると思います。
ドイツ・テレコムの利用者でなくても,ドイツの電話回線でアナログ電話が使用できなくなる時期は近づいていると考えたほうがいいでしょう。

アナログ電話廃止に伴い,いくつかの進歩(?)も予告されています。そのひとつに外出先からでも,自宅・事務所の固定電話の番号にかかってきた電話を受けることができるようになります。
これは僕も長年望んできたことなのでとても歓迎です。
また,記憶が定かではありませんが,10年ほど前は1回線で10個の番号を無償で得られたのに,数年前には5個になり(それ以上は有料),来年からは1回線3番号に変更されるようです。