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信頼できる自動車整備工場の見つけ方

メーカー指定整備工場，整備工場グループ，個人の整備工場など，基本的には規模や知名度にかかわらず，間違いない仕事が適正価格で遂行され，可能ならば早く，そして心地良いサービスが得られたら言うことなしなのですが，結構難しいのが自動車整備工場ともいえます。
信頼できる行きつけの整備工場がある人はいいですが，知らなかったり，旅先では，特に外国のドイツ・ヨーロッパでは悩みの材料にもなりえます。

そこで，自動車整備工場を選ぶ際のポイントを少し知っておくことをお奨めします。
一般的には，修理（Reparatur），保守（Wartung），点検（Inspektion）に分けられます。
飛び込みの整備工場で相談や問い合わせを行う際，サービスやプロの業務の印象が全く感じられない場合は，何も依頼せずに出ましょう。
電話・メールなどで，愛想の良い迅速な応対をする自動車整備工場は，仕事の質も良い可能性があります。

日常的な業務は事務的に速やかに進むのが当たり前。
自動車整備の日常的な業務とは，タイヤ交換，オイル交換，エアフィルター交換，オイルフィルター交換
そしてこれらは，特にメーカー指定整備工場である必要もなく，アポなしで行う整備工場も数多くあります。
つまり，開店前の10分ほど前に行くとすぐに終わる場合がほとんどです。朝一が無理ならば，何時ごろが一番空いているかを尋ねましょう。
逆に言えば，朝一を除くと，待つのが当たり前。サービスの良い整備工場は，新聞・雑誌が置いてある場所でコーヒーなどを無料で提供しています。
特に，冬季のウィンタータイヤ装着はドイツで義務付けられていますが，氷点下や雪が降ってから整備工場に行くとかなり待たされるので，その時期のタイヤ交換はアポイントを取ったほうがいいでしょう。
修理および不具合が発生した際のチェックは通常はアポが必要です。

全ての整備工場には必ずマイスター資格を有する整備士を置くことが義務化されているため，基本的には全車種の修理・点検を請け負いますが，ポピュラーな車種ではない車や新車の場合は，原因を見つけるのに長い時間を要したり，誤った修理や不要な修理を行って不当な修理額になることも結構あるようです。
特に誤った新車の修理がメーカー指定以外の修理工場で行われた場合，保証条件で自動車メーカーとトラブルになる可能性もあるので注意が必要です。
EUは，整備工場に向けた自動車メーカーからの情報不足による問題解決と個人の整備工場の品質向上を図るために，自動車メーカーに情報提供を義務付ける法規を2010年6月に定めています。

業務の品質，速さ，サービス，料金など，整備工場の大きさや知名度とは関係ないといわれますが，メーカー指定整備工場でも約4分の1が，不当な料金，不要な修理，長すぎる修理時間の計算などを行っている下記のような修理工場ルポもあるので，メーカー指定でも安心できるわけではないようです。

このドイツ第二放送（ZDF）のルポでは，整備技師が，整備工ならば誰でも簡単に発見でき，数分で直せるような不具合を故意に作った故障車（？）を，複数のメーカー指定整備工場に修理依頼した結果を描いています。売上ノルマのプレッシャー，自動車メーカーの強制的かつ高価な研修・セミナーや，ブレーキなど安全にかかわる修理は顧客は高料金でも納得するトリックなどの証言もあり，フューズが切れただけのケースでは，無償サービスで行う整備工場がある一方で数百ユーロを請求した整備工場もあります。
2割ほどのメーカー指定整備工場が悪徳会社として描かれる中でも，ベストはBMW，最低はフォルクスワーゲンとなっていますが，ドイツの公共放送のルポといえどもシナリオがある場合も結構あるので，鵜呑みにせず軽い参考として捉えたほうが良いと思います。

ZDFルポ - frontal21
- 高くつく自動車チェック
- 自動車整備工場の稼ぎ方トリック

 frontal21  

にも拘わらず，各自動車メーカーは代理店や指定整備工場に対して定期的に研修・セミナーなどを行っているので，一般的には，修理と保守はメーカー指定工場，日常的で簡単な業務は，整備工場（メーカー指定，グループ会社，個人）を自由に選択，だと思います。
メーカー指定整備工場のメリットはほかにもいくつかあります。
メーカー車に通じているので故障の原因を正確に早く見つける（ることが期待できる）。
ほとんどの部品の在庫が常に用意されているので，時間の節約が（期待）できる。
また，企業やお得意さんなどには，自動車のピックアップから配車までの無償サービスも行う。

安い・早い・柔軟のメリットが消え始めた自動車整備専門グループ会社

大資本で設立された自動車整備を専門とするグループ会社は，1990年ごろからヨーロッパの国々に現れ，低価格と迅速なサービスを武器に国境を越えた展開と増大を続けていますが，最近になって顧客の満足度も評価も落ちつつあるようです。

言われて見ると確かに，10数年ほど前に筆者の車が故障したとき，自動車会社で働いているエンジニアに整備工場を尋ねたら，すぐにA.T.U. を推薦され，それでも修理箇所は適切に指定すること（彼が電話で指定），修理が終わって別のサービスを提供または修理箇所を指されても，“Nein, danke“ と言うように念を押されました。
修理費も結構安く，仕事も速いので，その後も保守などで利用し，ほかの人たちにも A.T.U. を推薦していたのですが，最近の評価（自動車専門誌やADAC）では，A.T.U. は総合点で及第に入っておらず，Pit-Stop はまぁまぁ，Autofit などは完全に落第点の最下位になっています。

それでも，自動車整備グループ会社の店舗には多種多様な付属品があり，何でも聞くことができるスーパーマーケットのような気軽さもあるので，注意しつつ，上手に利用しても良いと思います。

初めての自動車整備工場に行くときは，まず左のような自動車修理工場（Kraftfahrzeugs-Gewerbe）の認証マークをチェックしてください。これは自動車組合（Kfz-Innung）の会員証に相当しますので，問題が発生したり結果に満足できない場合は自動車組合の事務所に問い合わせることができます。
または，インターネットで会員整備工場を探すこともできます。
https://www.kfzgewerbe.de/ 

自動車組合においても，完全に公平な評価を行っていないとの批評もときどき聞きますので，絶対とはいえませんが，上記の2団体の評価による整備工場は次のとおりです。

● 非常に良い

Pneuhage
Vergölst

● 良い

Opel メーカー指定整備工場
Ford メーカー指定整備工場
BMW メーカー指定整備工場
Renault メーカー指定整備工場
Mercedes メーカー指定整備工場
Reifen Helm
Volkswagen メーカー指定整備工場
Stop + Go
Fiat メーカー指定整備工場
Pit-Stop
Audi メーカー指定整備工場
Euromaster

● 普通

A.T.U.
Peugeot メーカー指定整備工場
Bosch Car Service
Mazda メーカー指定整備工場
Toyota メーカー指定整備工場
Auto Dienst

● 良くない

Autofit

■ 特に高得点を取得した自動車整備工場

40237 Düsseldorf/BMW（デュッセルドルフ事業所）
24118 Kiel/Autohaus Hansa Nord
60388 Frankfurt/1a Autoservice Autohaus Fuhrmann
13409 Berlin/A.T.U Berlin
24118 Kiel/Audi（キール事業所）
90411 Nürnberg/Audi Zentrum Nürnberg-Marienberg
44143 Dortmund/Audi（ドルトムンド事業所）
33609 Bielefeld/Audi（ビーレフェルト事業所）
40233 Düsseldorf/Autozentrum P&A
80687 München/DiT München